2013/11/01

オンキヨー株式会社、毎日新聞社点字毎日と公益財団法人「日本教育科学研究所」が開催いたしました、
第11回世界点字作文コンクールの入選作品が決まりましたのでお知らせいたします。

 

本年も、世界中から多数の心に響く作品をお送りいただき、ありがとうございました。
最優秀オーツキ賞には、

  • 日本国内は、杉元 忠幸(すぎもと ただゆき)さん(宮崎市 46歳 男性)
  • アジア・太平洋地域は、ホ・カ・リュンさん(香港 26歳 男性)
  • 西アジア・中央アジア・中東地域は、アリアスガル・アサディさん(イラン 35歳 男性)
  • ヨーロッパ地域は、 ロービ・ロービさん(イタリア 18歳 女性)
  • 北米・カリブ地域は、ジェリー・グレン・マッキーさん(アメリカ 45歳 男性)

が選ばれました。おめでとうございます。

 

オンキヨー株式会社と毎日新聞社 点字毎日は、人と人を結ぶぬくもりをより身近に感じておられる視覚障がい者の世界に、点字と音声の懸け橋をしっかり築きたいという願いから、2003年に「点字作文コンクール」を創設いたしました。 2004年からは世界盲人連合アジア・太平洋地域協議会(WBU-AP、21カ国)、2006年からは同じく世界盲人連合の加盟組織、アジア盲人連合(ABU、西アジア・中央アジア・中東地域、21カ国)、2007年からはヨーロッパ盲人連合(EBU、45カ国)、そして、2009年から北米・カリブ地域(WBU-NAC地域、21カ国)が参加し、さらには2011年から「オンキヨー世界点字作文コンクール」とその名を変更、2012年には公益財団法人「日本教育科学研究所」が主催に加わりました。参加各国の協力を得て、世界に広がる作文コンクールとして大きく成長しています。
また、視覚障がい者の方々のたくさんの想(おも)いが、作品を通して世界中に伝わり、そこから人と人とが理解しあい、協力し合える共存の世界へ、本コンクールがそんな世界を実現させる第一歩になればと願っています。また、オンキヨーは素晴らしい音楽の世界をお届けするため、視覚障がい者の皆様にオーディオの使いやすさをアシストする【ラクラクキット】の提供を続けさせていただくと共に、たくさんの応募作品から頂戴しました感動を、これからも魅力ある製品づくりにいかしたいと願っております。

 

●国内の部の表彰式は、最優秀オーツキ賞の杉元さんを弊社大阪本社にお招きして、11月15日におこないます。
●海外の部の表彰式は、入賞各国においておこないます。

 

常に前向きにチャレンジする勇気

公益財団法人 日本教育科学研究所
理事長 大朏 直人(おおつき なおと)

 

世界点字作文コンクールは昨年節目の10年を迎えました。何事も始めることより継続することが難しいことだと思いますが、当社を取り巻く環境が大きく変化する中でもこのように第11回を迎えることができ、特に国内では昨年の応募数を大きく上回る方々から作品が寄せられたことは大変喜ばしく感じております。海外を含め受賞された作品はすべて前向きな想いが伝わるものであり、その物語の一つ一つに込められた想いや、綴られたエピソードから得られる新しい発見、チャレンジを恐れない逞しさに、私自身が励まされる思いでした。
国内作品で最優秀オーツキ賞を受賞されました杉元さんは、人生半ばで視力を失ってしまう病気に見舞われながらも、娘さんの励ましを受けながら、新しいチャレンジを重ね、とりわけ点字という大きな味方を持つことでさらに新しい発見や喜びを得ることができたことを生き生きと表現していただき、元気をもらうことができました。
海外WBU-AP地域最優秀オーツキ賞のホ・カ・リュン(香港)さんの作品は、創造力に溢れた内容が強く印象に残りました。視覚障がい者の実際の人生を、村に住む動物と隠喩的に対比させることによって、点字という適切なコミュニケーション手段がいかに視覚障がい者の助けになるかを表現されていました。そして勇気を持って未知の世界に飛び出して新しいチャンスを獲得しようという力強いメッセージが頼もしく感じられました。
海外ABU最優秀オーツキ賞のアリアスガル・アサディさん(イラン)は、フェイスブック、ツイッタ―、グーグルプラスなどといったソーシャルネットワークが持つ大きな可能性について具体的な事例をたくさん挙げておられ、私自身もその多様な効能について関心を持ちました。たくさんの方がIT技術を身につけられ、新しい体験を重ねていかれるようになることを願っております。
海外EBU最優秀オーツキ賞のロービ・ロービさん(イタリア)は、パキスタンから移り住んだイタリアでダニーロ・ベローニさんに出会うことで、それまで気の進まなかった点字に本格的に取り組み、その有用性や素晴らしさを体感し、読みたい本が読みたい時にいつでも読める喜びがストレートに伝わってきました。そして真実は目に見えるものだけではないのだから、自分自身を受け入れて出来ることをして行こうという宣言に励まされる思いがしました。
海外WBU-NAC最優秀オーツキ賞のジェリー・グレン・マッキーさん(アメリカ)の作品では、歴史上の人物で会うことが叶うなら、点字の開発者であるルイ・ブライユを上げ、現在のご自身が、日常の様々な場面でいかに点字が助けとなっているかを語られています。ルイ・ブライユへの感謝とともに、点字によって様々なことが実現できる喜びを嬉々として表現されておられ、とても楽しく読ませていただきました。

最後になりましたが、心に響く作品を本コンクールに届けて下さった皆様、素晴らしい作品をありがとうございました。そして共催者として10年もの長きにわたりまして多大なるご支援をいただきました毎日新聞社様、点字毎日様、参加各国への作品募集や審査・表彰を執り行っていただいたABU(アジア盲人連合)、WBU-AP(世界盲人連合アジア・太平洋地域協議会)、EBU(ヨーロッパ盲人連合)、WBU-NAC(世界盲人連合北米・カリブ地域協議会)の皆様、ならびに各国でご支援いただいた方々にあらためてお礼申し上げます。
現代に生きる私たちは、さまざまな立場の人同士が助け合い共存する世界を、未来に向けて築いていかなければなりません。本コンクールが、世界中に点字がさらに普及するきっかけとなり、ますます異文化コミュニケーションが進展することを心より願います。

 

 

オンキヨーはラクラクキットを通じてバリアフリーを推進しています。ラクラクキットは無料で提供しています。

 

オンキヨーエンターテイメントテクノロジー株式会社は、点字プリンターを通じてバリアフリーを推進しています。

 

過去の入選作品