第12回世界点字作文コンクール入選作品発表

2014/11/01

 

オンキヨー株式会社、毎日新聞社点字毎日と公益財団法人「日本教育科学研究所」が開催いたしました、 第12回世界点字作文コンクールの入選作品が決まりましたのでお知らせいたします。

 

本本年も、世界中から多数の心に響く作品をお送りいただき、ありがとうございました。 最優秀オーツキ賞には、

  • 日本国内は、山本 裕子(やまもと ゆうこ)さん(神奈川県 45歳 女性))
  • アジア・太平洋地域は、エリザベス・ヤコバ・マリア・ウェスリングさん(ニュージーランド 42歳 女性)
  • 西アジア・中央アジア・中東地域は、トニー・アタッラーさん(レバノン 45歳 男性)
  • ヨーロッパ地域は、アンナ・フスさん(ハンガリー 31歳 女性)
  • 北米・カリブ地域は、ヘレン・コベックさん(アメリカ 53歳 女性)

 が選ばれました。おめでとうございます

 

 オーディオ・ビジュアル機器メーカー「オンキヨー株式会社」と公益財団法人「日本教育科学研究所」、「毎日新聞社 点字毎日」は、人を結ぶぬくもりをより身近に感じておられる視覚障害者の世界に、点字と音声の懸け橋をしっかり築きたいという願いから、2003年に「オンキヨー点字作文コンクール」を創設しました。04年からは海外部門も設けて拡大し、11年の第9回からは「オンキヨー世界点字作文コンクール」として毎年実施しています。
 第12回を迎えた今年のコンクールは、国内部門のほか、海外部門で、世界盲人連合アジア・太平洋地域協議会(WBUAP、21カ国・地域=日本を除く)、アジア盲人連合(ABU、西アジア・中央アジア・中東地域、21カ国)、ヨーロッパ盲人連合(EBU、ヨーロッパ地域、45カ国)、北米・カリブ地域協議会(WBU-NAC、21カ国)の108カ国を対象に作品を募集。世界的な作文コンクールとして、異文化コミュニケーションの輪を広げ、複雑化する国際社会をつなぐ懸け橋となっております。
 さらに今回から、国内部門で「サポートの部」を設け、視覚障害者の家族、学校や職場、地域で接する方の思いも寄せてもらい、輪が広がることを期しました。国内、海外の視覚障害者の思いや生き方が、読んで下さる皆様に伝わり、共に生き、共に奏でる温かいハーモニーが社会に響けばと願っています。

●国内の部の表彰式は、最優秀オーツキ賞の山本さんを弊社大阪本社にお招きして、11月13日におこないます。
●海外の部の表彰式は、入賞各国においておこないます。

 

点字と人がつなげる新しい世界

公益財団法人 日本教育科学研究所
理事長 大朏 直人(おおつき なおと)

 

 オンキヨー世界点字作文コンクールは今年で12回目となりました。本コンクールをより盛り上げ、開催趣旨の一つである「点字と音声の懸け橋をしっかり築く」という思いをさらに高める様々な工夫を引き続き行っております。その一環として本年からは新しい試みとなる「サポート賞」を国内部門で設け、視覚障害者を取り巻く、様々な環境の中で生活をされている人々からの作品を募りました。その成果として、本コンクール開催以来最大数である322編もの作品が寄せられ、とても嬉しく感じております。その内容も大変興味深く、これまで知ることのなかった世界が生き生きと伝わってくる作品の数々に、新鮮な驚きの連続でした。これらの応募作品はどれも甲乙つけがたく、受賞作品の選考は例年以上に困難を極めることとなりました。
 その中で見事国内最優秀オーツキ賞を受賞されました山本裕子さんの作品は、「手のひら書き」や「指点字」の習得にご本人もご家族も決してあきらめることなく取組まれる様子が爽快に表現されており、ご家族の暖かく強い絆に心動かされました。また、思わず笑みがこぼれるようなご主人との微笑ましいエピソードがつぶさに描かれ、審査員から高い評価を獲得されました。
 海外WBU-AP地域最優秀オーツキ賞のエリザベス・ヤコバ・マリア・ウェスリング(ニュージーランド)さんの作品では、聞こえる音(反響音)と想像力を研ぎ澄ますことによって、目が見えなくても周囲の状況を把握できる能力=エコーロケーションを身につけられたことや、音声解説の存在で映画館や劇場などで晴眼者と同じように芸術を楽しむことができることを紹介されており、現在ご自身で音声解説を広める支援をされています。音声解説が広がることでよりたくさんの方に芸術を体験いただく機会が増えるのはとても有意義なことだと思います。
 海外ABU最優秀オーツキ賞のトニー・アタッラー(レバノン)さんの作品は衝撃的でした。視覚障害者は晴眼者と同じく社会を構成する一員であるにも関わらず、実際に置かれている厳しい現実を突きつけられ、心が痛みました。どんな立場の人でもお互いを認めて受け入れ、関係を築くことの大切さを改めて考えさせられる、迫力ある作品でした。
 海外EBU最優秀オーツキ賞のアンナ・フス(ハンガリー)さんの作品は、幼少の頃から現在に至るまでの、お母様からアンナさんへの強く揺るぎない愛情、その愛情に対するアンナさんからお母様への大きな感謝の気持ちがストレートに伝わってくるものでした。これからもお互いを想い合う気持ちを持ち続けていただきたいと思います。
 海外WBU-NAC最優秀オーツキ賞のヘレン・コベック(アメリカ)さんは、9歳から視覚をなくしたものの、51歳にしてようやく点字を習い始められました。スムーズに読み取れるまでには辛く単調な時間を過ごされましたが、強い決意の下、訓練を続けられた結果、ある日突然「わかる」ことが出来る瞬間を迎えられます。その大きな喜びと旺盛な探究心で、これからもどんどん新しい世界を切り拓いていかれることだろうと容易に想像でき、ワクワクする思いがしました。年齢にこだわらず挑戦することは、いつまでも若々しくいられる秘訣になるでしょう。

 最後になりましたが、本年も心に響く素晴らしい作品を届けて下さった皆様、ありがとうございました。そして共催者として12年もの長きにわたりまして多大なるご支援をいただいております、毎日新聞社様、点字毎日様、参加各国への作品募集や審査・表彰を執り行っていただいたABU(アジア盲人連合)、WBU-AP(世界盲人連合アジア・太平洋地域協議会)、EBU(ヨーロッパ盲人連合)、WBU-NAC(世界盲人連合北米・カリブ地域協議会)の皆様、ならびに各国でご支援いただいた方々に心よりお礼申し上げます。
 グローバル化が進む現代に生きる私たちは、さまざまな立場の人同士が理解し合って共存する世界を、未来に向けて築いていかなければなりません。本コンクールがきっかけとなって世界中に点字がさらに普及し、ますます異文化コミュニケーションの交流が拡がることを心より願います。

 

 

過去の入選作品