第10回 世界点字作文コンクール入選作品発表

2012/11/0

 

オンキヨー株式会社と毎日新聞社点字毎日が開催いたしました、第10回世界点字作文コンクールの入選作品が決まりましたのでお知らせいたします。

 

本年も、世界中から多数の心に響く作品をお送りいただき、ありがとうございました。
最優秀オーツキ賞には、

  • 日本国内は、五味嘉信(ごみ よしのぶ)さん(東京都 43歳 男性)
  • アジア・太平洋地域は、デイジー・トレスナワティ・サリ・デウィさん(インドネシア 23歳・女性)
  • 西アジア・中央アジア・中東地域は、テジ・シン・タクさん(インド 66歳 男性)
  • ヨーロッパ地域は、 マリア・ヘスス・サンチェス・オリバーさん(スペイン 61歳 女性)
                   マリア・ヘスス・カニャマレス・ムニョスさん(スペイン 49歳 女性)
  • 北米・カリブ地域は、アンジェラ・オーランドさん(アメリカ 38歳 女性)

 が選ばれました。おめでとうございます。

 

オンキヨー株式会社と毎日新聞社 点字毎日は、人と人を結ぶぬくもりをより身近に感じておられる視覚障害者の世界に、点字と音声の懸け橋をしっかり築きたいという願いから、2003年に「点字作文コンクール」を創設いたしました。 2004年からは世界盲人連合アジア・太平洋地域協議会(WBU-AP、21カ国)、2006年からは同じく世界盲人連合の加盟組織、アジア盲人連合(ABU、西アジア・中央アジア・中東地域、21カ国)、2007年からはヨーロッパ盲人連合(EBU、45カ国)、そして、2009年から北米・カリブ地域(WBU-NAC地域、21カ国)が加わり、参加各国の協力を得て、世界に広がる作文コンクールとして大きく成長しています。
また、視覚障害者の方々のたくさんの想(おも)いが、作品を通して世界中に伝わり、そこから人と人とが理解しあい、協力し合える共存の世界へ、本コンクールがそんな世界を実現させる第一歩になればと願っています。また、オンキヨーは素晴らしい音楽の世界をお届けするため、視覚障害者の皆様にオーディオの使いやすさをアシストする【ラクラクキット】の提供を続けさせていただくと共に、たくさんの応募作品から頂戴しました感動を、これからも魅力ある製品づくりにいかしたいと願っております。

 

●国内の部の表彰式は、最優秀オーツキ賞の五味さんを弊社大阪本社にお招きして、11月12日におこないます。
●海外の部の表彰式は、入賞各国においておこないます。

 

続いてゆく思いと広がるつながり

公益財団法人 日本教育科学研究所
理事長 大朏 直人(おおつき なおと)

2003年に創設した点字作文コンクールは、今年で第10回を迎えました。当初国内だけで始まったコンクールは今では募集対象国が世界108カ国に及び、点字を通して世界中のたくさんの人々の思いがつながることに微力でも貢献することができればと続けてまいりました。その取り組みが10年も続いてきたことは感慨深く、そしてこれからも引き継がれ、つながりがさらに広まっていくことを心より願っております。
さて、今年国内では幅広い年齢層の方々からバラエティ豊かな作品が集まったため、選考には大変苦労いたしました。その中で最優秀オーツキ賞を受賞されました五味さんは、桜並木を見に散歩に出かけるという何気ない日常の光景を生き生きとした描写で表現されていました。花見をしようと思いついてから帰宅するまでの出来事を、五味さんが捉えた情景や抱いた感情、登場する人々の心の動きや表情までもが鮮やかに浮かびあがって来るような文章でした。そして、心に余裕を持って楽しむ気持ちを持つことでとても豊かな人生を送ることができるのだという大切な事を教えていただいた素晴らしい作品でした。
海外WBU-AP地域最優秀オーツキ賞のデイジー・トレスナワティ・サリ・デウィ(インドネシア)さんの作品からは、視力を失っても音楽に触れ楽器を演奏することに喜びを見つけられ、独学で技術を身につけられました。自らの運命を自らの手で切り拓き、夢を実現させることで周囲の方にも勇気を与えておられることと思います。いつまでも夢を忘れない、夢の実現のために努力する。そんな思いがひしひしと伝わりました。
海外ABU最優秀オーツキ賞のテジ・シン・タク(インド)さんは、近年めざましい発達をみせるコンピューターや携帯端末などのニューテクノロジーを使うことで視覚障害者が文字を読めるようになっていますが、それでも点字が持つ優位性について、多方面から分析し詳細に説明されていました。長年にわたりたくさんの人々に使い続けられ、これからも視覚障害者の重要なツールである点字への深い思い、ひいては点字への敬意や感謝の気持ちも表現されていたと感じました。
海外EBU最優秀オーツキ賞は今回2作品が選ばれました。マリア・ヘスス・サンチェス・オリバーさん(スペイン)、マリア・ヘスス・カニャマレス・ムニョスさん(スペイン)の作品は、点字を擬人化して、点字の役割や点字で広がる可能性、そして点字への感謝の想いを、物語形式で生き生きと描いておられました。これまでにない斬新な表現で次に何が起きるのか、どんな話が登場するのか、わくわく楽しく読みすすめることができ、そしてあらためて点字の重要性も感じることができる、そんな楽しい作品でした。
海外WBU-NAC最優秀オーツキ賞のアンジェラ・オーランドさん(アメリカ)の作品では、突然、とてもつらく苦しい境遇に立たされ絶望の淵とも思われる状況に心が痛みました。そんな中でも、外との関わりを持ちたいという強い気持ちを持ち続け、長い時間をかけて少しずつ出来ることを増やされ今では、たくさんの人々とつながる喜びを感じられるまでになられました。そしてそれは点字があったからこそ。点字の可能性を無限にするのは、それを使って何かを成し遂げたいという強い気持ちが無限であるからだろうと、とても感銘を受ける作品でした。

最後になりましたが、心に響く作品を本コンクールに届けて下さった皆様、素晴らしい作品をありがとうございました。そして共催者として10年もの長きにわたりまして多大なるご支援をいただきました毎日新聞社様、点字毎日様、参加各国への作品募集や審査・表彰を執り行っていただいたABU(アジア盲人連合)、WBU-AP(世界盲人連合アジア・太平洋地域協議会)、EBU(ヨーロッパ盲人連合)、WBU-NAC(世界盲人連合北米・カリブ地域協議会)の皆様、ならびに各国でご支援いただいた方々にあらためてお礼申し上げます。
現代に生きる私たちは、さまざまな立場の人同士が助け合い共存する世界を、未来に向けて築いていかなければなりません。本コンクールが、世界中に点字がさらに普及するきっかけとなり、ますます異文化コミュニケーションが進展することを心より願います。

 

 

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過去の入選作品